知らないと損!不動産販売図面の見方を教えます!

不動産 販売図面

不動産会社に物件の紹介をしてもらう時に、販売図面を見ながら物件探しをすると思いますが、記載してある内容の全てを理解していらしゃいますでしょうか?

販売金額や建物の図面、立地条件だけで判断していませんか?

実はその物件探しの方法はとても効率が悪く、購入後にトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

今回は、意外と重要な情報が多く記載してある販売図面の見方と13個のポイントを紹介させていただきます。

1つずつ紹介しますので、気になる部分や該当する箇所だけでもご理解を深めていただければ、不動産の購入で損することは少なくなるでしょう。

少し長いですが、ぜひ最後までお付き合いください。

販売図面とは

不動産 販売図面

そもそも販売図面とは、不動産会社が作成する物で、物件の概要や価格、間取り、外観、内観の写真などが掲載されています。

主に購入を検討している人に向けて作られていますので、販売する為に作られたセールス資料となります。

販売図面で見るべきポイント

不動産 販売図面

販売図面には重要かつ有益な情報が、いくつも記載されています。

実際に不動産販売図面を見ていく中で、気を付けなければならないポイントが13個ありますので紹介していきます。

見るべきポイント13個
  • 1価格の表示(非課税か税込か)
  • 2所在地(地番か住居表示か)
  • 3交通(実際に掛かる時間の確認)
  • 4建物面積・専有面積(住宅ローン控除の対象になるか)
  • 5権利(借地権や地上権がついてないか)
  • 6都市計画(市街化調整区域か)
  • 7接道(車道幅員が狭くないか・私道か・通行承諾があるか)
  • 8設備(記載に間違いがないか)
  • 9管理費や修繕積立金(金額に間違いがないか)
  • 10築年数(耐震基準を満たしているか)
  • 11管理形態(一部・自主管理か、長期修繕計画はあるか)
  • 12戸数(少ないと注意)
  • 13備考欄(告知事項・契約不適合責任免責・建物状況調査)

これらのポイントを知らずに見ていると、物件を購入後に資金計画が上手くいかなかったり、生活に支障が生じることがありますので、しっかり各項目でのポイントを理解した上で物件探しをすることをお勧めします.

価格の表示(非課税か税込か)

まず一番重要なのは価格です。

価格を見ずに不動産を購入する方は少ないかと思います。

多くの方は予算の範囲内かを考えるでしょう。

この価格についてですが、ただ値段を見るだけではなく、税金の記載も見るようにしましょう。

ここでいう税金とは消費税の事で、主に3種類の記載方法があり売主によって表示方法が異なります。

非課税または記載なし

価格の横に税金についての記載がない、いわゆる無表示や親切に「税無」という記載があるものは消費税が掛からない非課税物件となります。

例えば、3,000万円という記載された横に何も記載がなかったり、「税無」と書いてあれば、非課税物件です。

売主が個人となる場合はこちらの表示が多いです。

税込

また、税込という記載があれば建物に対して税金が掛かるということになります。

売主が不動産会社などの法人である場合が多いです。

この価格表示がされていた場合、消費税の課税物件となります。

ちなみに、不動産の価格表示では税抜きの価格表示は広告のルールで禁止されています。

例えば、3,000万円+(税金)や3,000万円(税抜)という表示はありません。

課税物件か非課税物件かを判別ができる

これらの税表示から消費税課税物件か消費税非課税物件かの物件種類の判別ができます。

消費税課税物件であれば、売主が法人や宅建業者であったり、新築やリノベーション済みの物件のケースが多いです。

反対に消費税非課税物件は前述した通り、売主が個人である場合がほとんどです。

課税、非課税の違いで税優遇も変わってくる

課税、非課税の物件の違いで、税の優遇が変わってきます

POINT

消費税課税か非課税かわかれば、税優遇がどれだけ受けられるのかという一つの目安となる

例えば、住宅ローン控除の金額が一般物件の場合、10年間で2倍も差がある為、課税か非課税かの違いに注意が必要です。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りた場合、年末時点の残高1%が所得税及び住民税から控除される制度です。

こちらの令和4年度税制改正大綱で2022年度から住宅ローン控除の割合が0.7%になることが決まりました。

非課税物件の住宅ローン控除では、一般物件であれば1年間で20万円、10年間で200万円の控除を受けることができます。

反対に課税物件では、一般物件であれば、1年間で40万円、10年間で400万円の控除ができます。

非課税物件の住宅ローン控除

一般物件であれば

1年間で20万円

10年間で200万円の控除

課税物件の住宅ローン控除

一般物件であれば

1年間で40万円

10年間で400万円の控除

住宅ローン控除について他にも築年数や面積の要件、13年間に延長されたことなど詳しくは、こちらの記事で詳しくご説明しております。

※2022年度の税制改正で変更箇所もありますのでこちらの令和4年度税制改正大綱もご確認ください。

また、住まい給付金も課税物件のみが対象となっており、購入物件が課税か非課税によっては購入時の資金計画も大きく変わってきます。

出典:国土交通省

所在地(地番か住居表示か)

どこに物件があるかは皆さんチェックはされていらっしゃるでしょう。

しかし、カーナビに販売図面に表示されている所在地を入力しても、表示されない場合があります。

なぜなら、販売図面に書いてある住所が地番表記であることがあるからです。

販売図面に記載されている住所は、地番と住居表示の2つの表示方法があります。

この2つの違いをご説明します。

地番とは?

主に不動産の取引時や登記情報の取得、税金など公的に使う土地に表示されます。

例えば、不動産の取引の際に使用する番号で、「2563-21」や「615-84」など桁数が3以上の表記が多いです。

郵送などに使う住所とは異なります

住居表示未実施地区では、地番と住所が同じことがあります。

住居表示とは?

郵便物を出す場合などに使われている住所のこと

普段の生活の中で使われる「住所」はこの住居表示のことを指します。

例えば、「23-1」や「1-23」など比較的スマートな表記がされています。

1つの建物が建っている土地に、「筆(ふで)」という複数の地番が付いていることもあります。

郵送の際に一つの建物に表示がいくつもあると混乱を招くため、一つの建物に住所を振れば混乱を避けることができます

カーナビやGoogleマップに入力しても、表示されない場合は地番表記の可能性が高いです。

その際は不動産会社に住居表示を問い合わせてみましょう

所在地の記載がない場合は

中には物件の所在地を記載していない販売図面もあります。

例えば、「東京都渋谷区神泉町」までしかなく、「215-3」などの番号がないケースです。

不動産会社に問い合わせをすると住居表示を教えてもらえます。

しかし、そもそもの所在地の表示をしていない不動産会社は不親切な会社である可能性もあります。

悪徳な不動産会社の一例としてこちらの動画もご参照ください。

交通(実際に掛かる時間の確認)

通勤や、通学の際に一番重要になってくる交通の記載です。

皆さんも必ずチェックしているかと思います。

例えば、公共の交通機関である駅までどれくらいの距離なのか、何線を利用できるのか、少し歩けば他の沿線の駅を利用できるかなどです。

不動産の雑学となりますが、販売図面に駅から徒歩10分のように記載されているとします。

10分という表記ですが、道路距離が80mにつき1分の計算となっています。

そのため、800mであれば販売図面には徒歩10分と記載することができます。

ここで注意点ですが、実際に歩いてみると10分以上掛かったことがあるというご経験はございませんか。

大体10分で着かず、12、13分と掛かるケースが多いと思います。

表記されている時間より長い時間が掛かってしまう理由は3つあります。

販売図面の表示より所要時間が掛かる理由

【80mの距離を1分で計算】

  • 坂道は考慮されていない
  • 信号も考慮されていない
  • 駅のホームからではなく、物件から一番近い出口から計測

坂道が考慮されていない

1つ目の理由として実際の道路が坂道となっていても、所要時間の記載は変わりません

駅から家までの帰り道が下り坂であれば、所要時間よりも早く到着することができるでしょう。

しかし、自宅から駅までが上り坂であれば所要時間が記載した時間よりも掛かってしまうということがあります。

な坂道がある場合などは注意が必要です。

信号が考慮されていない

2つ目の理由として、信号の有無や、待ち時間などは考慮されておらず、一度も信号で止まらなかった場合の時間が記載されているからです。

とても長く待つ信号に出会ったことがあるかと思いますが、2〜3分待つ信号は特に急いでいる時などはとても長く感じます

交通量が多く、混雑する信号や、電車の都合で長時間待たなければならない信号などがないか確認する必要があります。

駅のホームからではなく、一番近い出口からの距離で計算されている

3つ目の理由は、駅の出口の中でも、「物件に1番近い出口」から「物件の敷地」までの距離測定になる為、駅構内や物件の移動時間は考慮されていないからです。

もちろん小さい駅では出入り口は1つであることが多いですが、新宿駅のようなターミナル駅ではa-1やe-6などの出入り口は複数あります。

その中で物件から一番近い出口から測定して良いことになっています。

要するに、「不動産会社にとって都合よく表示してもいいですよー」と言うことです。

最寄り駅の構造や、大きさによっては駅から出るだけで時間が掛かる場合があります。

例えば、都営大江戸線が地上に出るまでに10分は掛かるのではないかと有名ですね。

さらに、物件の敷地についても、マンション等の集合住宅は敷地の端からの距離計算となので、その点も注意が必要です。

A棟からG棟まであるような大きなマンションでは端から端まで10分ほど掛かる物件もあるでしょう。

大きな集合住宅になればなるほど、敷地面積も大きくなるので注意が必要です。

以上の理由から、販売図面に表示されている所要時間をそのまま信じずに、購入を検討している物件から駅まで必ず一度は実際に歩いてみる事がとても大切です。

建物面積・専有面積(住宅ローン控除の対象になるか)

建物面積と専有面積の2つは、物件の種別によって表記が違うものですが、意味は同じです。

ここで注意したいことが、住宅ローンの1つであるフラット35を利用する際は、戸建てで70㎡以上、マンションですと30㎡以上といった条件がありますので、事前にチェックが必要です。

フラット35については、こちらの記事でも解説しております。

もう一つの注意点が区分マンションでの住宅ローン控除利用には専有面積に関しての記載がありますが、こちらも面積に関して注意が必要な箇所です。

購入希望者の方で多いケースが、住宅ローン控除を受けようと思ったが、要件の1つである面積を満たしていない事があります

販売図面に記載がある専有面積が壁芯(へきしん)面積表記になっている事がこの間違いを生む大きな要因です。

住宅ローン控除の際に必要となる面積は50㎡以上なのですが、50㎡以上というのは壁芯面積ではなく、内側の壁から計算する内法(うちのり)面積での計算です

壁芯面積は隣家との境の柱の中心からの面積計算となるため、内法面積表記で記載されている面積よりも小さくなり、50m2未満となって最悪要件を満たさない可能性があります。

販売図面で51〜53平米と書かれているものは壁芯面積なので、内法面積だと50m2を切る可能性があります。

売買契約書に内法面積が記載されていますので、もしかしたら契約当日に住宅ローン控除が適用されないことが発覚することもあります。

住宅ローンを利用したいと思っている方は販売図面に記載されている面積だけでなく、内法面積を業者に確認しておきましょう。

権利(借地権や地上権がついてないか)

販売図面に”所有権”や”敷地権”と記載がある場合は全く問題ありません。

しかし、借地権や地上権といった記載がされている場合は注意が必要です。

土地を借りている状態の建物となりますので、購入金額とは別に毎月地代がかかってきてしまう事がありますので注意が必要です。

特に立地条件の割に相場価格より安い物件によくあります。

不動産担当者も借地権などが付いていることを知らずに勧めていることもあります。

借地権、地上権のついた物件は住宅ローンの審査も通常の物件と比べて厳しくなりますので、貴重な時間を無駄にしないためにも内見をする前に確認することをおすすめします

都市計画(市街化調整区域か)

地域によって異なりますが、主に都心部では市街化区域、市街化調整区域に分かれています。

この市街化区域、市街化調整区域という二つの表記は区分マンションでは表記されていることは少ないです。

市街化区域であれば、基本的に再建築できる区域となりますので、問題はありません

しかし、市街化調整区域であれば、基本的に建築物を建てられないエリアになります。

そのため、土地を購入したはいいけれども、その後に家を建てられないこともありますので、まず家を建てられるのかを必ず確認しましょう。

市街化調整区域とは、例えば家がポツポツとあって周りに畑が拡がっているイメージです。

市街化調整区域は市街化区域に比べて路線価が安く、土地の価格が安いメリットもあります。

路線価

市街地的形態を形成する地域の路線に面する宅地の1m2当たりの評価額

しかし、投資目的でアパート用地の購入を検討される場合、市街化調整区域は市街化区域よりも評価額が低くなる傾向にあるため、投資系のローンですと融資先によっては融資できない事もあります。

同様に自宅を購入する際の住宅ローンでも市街化調整区域では融資ができないと言う金融機関もありますので、事前に「市街化調整区域でも融資ができるのか」を金融機関に問い合わせて確認する事がです。

接道(車道幅員が狭くないか・私道か・通行承諾があるか)

車道幅員

マンションではさほど重要ではありませんが、戸建てでは重要視してください。

例えば、「接道4m」のように前面道路の幅員が表記されています。

実際に見てみればわかりますが、4mは結構狭いです。

例えば、3ナンバーのアルファードなどは横幅が1,800㎜以上なので、アルファード同士がすれ違うと3,600㎜ほどになります。

そうすると互いに通り過ぎるのに40㎝ほどしかないので運転に不慣れな人は厳しいでしょう。

幅員が4m・4.5m・5mという表記の場合など、例え5mでも直角90度の曲がり角があればすれ違うのに苦労します

POINT

購入を検討している場合は必ず現地周辺を車で走ってみよう!

以上のように前面道路が狭い場合は車庫入れや、すれ違いが難しかったりするため、物件の内見後などに走行テストをして道路状況を確認することが大切です。

道路の所有者について

次に道路の所有者ですが、公道や私道と記載されていて、道路の所有者が誰なのか示されています。

  • 公道=所有者市町村など
  • 私道=個人や法人

まず確認しなければならないことは、誰が所有者であるか、そして、誰が費用負担をするかです。

公道であれば市町村であったり、国や県の所有となるので問題は生じませんが、個人や法人が所有者となる私道であった場合は注意が必要です。

私道の場合は道路の維持管理は所有者自身で行わなければいけません。

  • どんな維持管理をしてきたか
  • 今後どのような費用負担が生ずるのか
POINT

地域内でローカルルールなどが存在する場合があるので、必ず確認しましょう!

現在の所有者に維持管理のルールや費用負担を確認して、近隣住民で管理しているのであれば、ローカルルールの確認なども行っておくのが良いでしょう。

通行承諾があるか

私道の場合は所有者が自分ではないので、通行できるのかどうかの確認が必要です。

例えば、物件に面している前面道路は他人が所有する、あるいは少し進んだ先の道路は他人が所有しており、通行をして良いという承諾を得られているのかが重要です。

他人の土地なので、通行してはいけないとローカルルールがある場合もあります。

通行承諾がなされていないため、人は通行できても、車両の通行は出来ないというリスクがあります。

物件の前面道路の所有者も大切ですが、その他の周辺道路も今後のトラブル回避の為にも事前に確認することが大切です。

平成9年の最高裁の判決では、日常生活を送れなくなるような通行承諾の否認はできないとあります。

最高裁判例についてはこちらになります。

通行の承諾がなくても通行できるか
  • 日常生活上不可欠な利益かどうか
  • 私道だから私利私欲で通行できませんとはできない
  • 一方で車の通行など日常生活上不可欠な利益とは言えない場合は、私道所有者が通行を禁止するように要求することは可能

確かに、承諾がなくても通行はできるという裁判所で見解は示されましたが、お隣が「通るな」という主張はできますので、お隣と通る通らないで揉めることはあり得ます

そこで、あらかじめ近隣の方がどういう方で私道であればどういったルールがあるのかや通行承諾書はあるのか、その承諾書は所有者が変わっても有効なものなのかぜひ確認しておきましょう。

POINT

どんな人かやルール、通行承諾書について必ず確認するようにしましょう!

今後暮らしていく上でトラブルに巻き込まれないよう事前確認は重要です。

設備(記載に間違いがないか)

販売図面には水道、電気、ガス等設備の記載がされています。

水道や電気は特に問題はありません

しかし、ガスについては懸念事項があります。

設備にプロパンガスと記載されていても、前面道路まで都市ガスの配管が引き込まれており、引き込み工事をすればすぐに都市ガスを利用できることがあります

逆に都市ガスと記載があってもプロパンガスを使用している場合もあります。

他にもオール電化と記載されていてもプロパンガスや都市ガスも利用できる場合があります。

もちろん建物自体の設備がプロパンガスや都市ガスに対応しておくなどの必要はあります。

販売図面に記載がある設備しか利用できないと端から諦めるのではなく、記載ミスや記載不足ということも考えられるため、鵜呑みにせず不動産会社へ確認することをお勧めします。

POINT

設備表記を間違えている場合があるので必ず現地を確認して判断しましょう

ガスだけではなく、設備の記載も含めて販売図面は人が作っているものです。

ミスも考えられますし使えないと思っていたものが実は使えることもありますので事前に現地にて確認することが大切です。

管理費や修繕積立金(金額に間違いがないか)

管理費や修繕積立金は区分マンションの販売図面に記載されています。

細かい数字のため、設備表記に続いてこちらも間違えている事がよくあります

購入を前向きに検討しているのであれば、販売図面のみで判断するのではなく、マンションの管理会社が発行する重要事項調査報告書を不動産会社から見せてもらうようにしましょう。

重要事項調査報告書

マンション管理会社が発行しており、管理費や修繕積立金の改定予定や大規模修繕計画の見通し、耐震診断の有無など建物全体に関する維持費や必要費に関する重要項目が記載されているマンション管理に関しての説明書のようなもの

費用や修繕の予定など維持管理に関する事項が記載されている書類ですので、こちらの書類と一緒に確認して間違いがないか確認していきましょう。

築年数(耐震基準を満たしているか)

販売図面に記載されている築年数は、建物が完成した時期になります。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、築年数によって耐震基準が変わってきます。

耐震基準に関してはこちらの動画でも解説しております。

耐震基準の歴史

昭和56年5月以前 旧耐震基準(フラット35適合が難しい)

昭和56年6月以降 新耐震基準

平成12年6月以降 新・新耐震基準 2000年基準

ここで注意していただきたいのが、耐震基準の判断となる築年数は完成した時期でなく、建物の建築をスタートした日である建築確認申請の日付となります。

POINT

耐震基準の判断は建築確認申請の日付であることに注意!

そのため、販売図面の築年数だけで耐震基準に適合するか判断してはいけません

例えば、豊臣秀吉の一夜城でもなければ1日2日で建物はできませんので、販売図面で昭和56年6月以降建築と書かれていても、新耐震基準に適合しているという判断はしないようにしてください。

  • 戸建て→半年
  • マンション→1〜3年

戸建てで昭和60年築であれば、新耐震基準であることは予想できます。

しかし、マンションは完成までに要する期間が長いので、耐震基準の起点となる期間に近い時期、例えば昭和57年、58年築などの物件は必ず建築確認日を確認しましょう。

建築確認申請の日付の根拠となる書類
  • 建築確認済証
  • 建築確認概要書
  • 検査済証
  • 台帳記載事項証明

地域によっては、呼び方が異なる場合がありますが、主にこの4点の書類を参考にして建築確認申請の日付をチェックできます。

また、フラット35の利用を考えている人は昭和56年5月以前に建築された物件に関しては、例外はありますが、ご利用は難しいと考えておいてください。

管理形態(一部・自主管理か、長期修繕計画はあるか)

マンションの販売図面に記載されている事項で、マンションの管理を誰がどのようにするのかの記載内容となります。

  • 全部委託
  • 一部管理
  • 自主管理

全部委託のマンションが比較的多いです。

全部委託はマンションの管理費・修繕積立金などの会計や10年後、20年後にどういったメンテナンスや大規模工事をする必要があるのかという長期修繕計画の作成を建築やマンション管理のプロにお任せするといったものです。

マンションなどのコンクリートは100年は保つとも言われていますが、適正な管理ができていないと30年で住み続けることが難しくなってしまうこともあります。

全部委託

マンションの管理の一切を管理会社に委託する方式で管理組合の理事などの手間や負担が少なく、管理会社による効率的な管理が期待できるというメリットがある

ただし、管理委託費が高めであり、管理組合の管理意識の低下を招く懸念がある

しかし、一部委託、自主管理の場合は注意が必要です。

財源が厳しい場合に自分達で管理組合を設立して自主管理している物件もあります。

この場合、維持管理を自主的に行うので維持管理が不十分である可能性があります。

更に長期修繕計画が策定されていない事もありますので、フラット35が利用できないことや利用できる金融機関が限られる場合があります。

融資可能条件を満たさない事もありますので、「自主管理している物件で問題ないか」事前に金融機関に問い合わせて確認しましょう。

「自主管理で問題ありませんが、長期修繕計画は必要です」と銀行から回答をいただくことがあるため、融資条件についても詳しく確認するようにして下さい。

戸数(少ないと注意)

当然ですが、マンションの戸数が少ないと、1世帯当たりの管理費、修繕費の負担額が高い傾向にあります。

例えば、100世帯で管理・修繕積立金を負担するのと10世帯で管理・修繕積立金を負担するのでは1世帯当たりの負担額が違ってきます。

今現在の修繕費で妥協できても将来的に、大規模修繕などがあった場合に修繕費の値上げも考えられます

例えば、今は1万円程度でも13年・15年ごとに大規模修繕がされますが、この機会に修繕積立金の見直しがされ、2倍や3倍に値上がりすることがあります。

「修繕積立金が少なくなってきましたので、来月一住戸あたり20万円徴収します。」と一時金の負担を強いられるケースもあるため、戸数が少ない物件には注意が必要です。

また、戸数が20戸ほどしかないマンションだと修繕積立金が高くなる傾向にあるため、一部の金融機関の担保的評価が良くないことがあります。

さらに、金融機関によっては3,000万円を融資するほどの価値がないと判断されて住宅ローンの審査に不利に働いて、審査自体が無理であることがありますので注意が必要です。

備考欄(告知事項・契約不適合責任免責・建物状況調査)

販売図面の右下によくある備考欄には空欄の場合がありますが、重要な情報が記載されている事もあります。

下記に重要な事項は記載しますが、その他不明点があれば不動産会社に詳細を聞く事が重要です。

告知事項

「告知事項あり」と記載されていれば、告知すべき事件、事故などがあった場合に記載されています。

告知事項とは、部屋で亡くなった人や発見が遅れた人がいたり、殺害事件が発生した部屋だったりなど、物件を購入するかどうか判断するための重要な要素のことを言います。

例えば、「室内で殺人事件があったのなら購入しなかった、その分価格を安くして欲しい」といったことがあります。

詳細は記載されていない事が多く、「自然死で発見が遅れた」ならまだしも、殺人事件などの重大な告知事項が隠れている場合があります。

時間を無駄にしないためにも内見する前に不動産会社に詳細を聞くようにしましょう。

契約不適合責任免責

契約不適合責任とは、端的に保証のことを言います。

そして、契約不適合責任免責はこの「保証を免除します」というものです。

契約不適合責任免責

契約の内容となっている品質に適合しない宅地・建物を売主が買主に引き渡した場合に売主が負う責任

売主が宅地建物取引業者ではない個人や法人の場合、売主と買主が合意すれば、売主の契約不適合責任を免責する旨の特約を設けることが可能

売買契約を締結する時にはさまざまな契約事があります

例えば、契約書と一緒に「シロアリはありません」「雨漏りはないです」など物件状況報告告知書に記載されていたにも関わらず、実際に引き渡しが終わった後にシロアリや雨漏りがあることがあります

この契約時と引き渡し後に書かれている内容と異なる場合に買主から売主へ契約書通りに履行、つまり引き渡しをしてくださいと買主が主張できる権利、あるいは売主が負う保証が契約不適合責任というものです。

そして、契約不適合責任の免責は売主から買主へ現状のまま引き渡したので、修繕するかどうかは売主ではなく、買主が自由にしてください、というものです。

例えば、引き渡し後にクロスの張り替えで雨漏りが発見されても売主に費用の請求は全くできません

契約不適合責任免責の物件は条件や価格次第で絶対に買ってはいけない物件ではありませんが、リスクは理解しておきましょう

契約不適合責任免責であることを事前に知らなかった場合のリスク

契約不適合責任が免責である場合、売買契約の前に実施される重要事項説明で宅建士より説明があります。

しかし、ほとんどの不動産会社では契約日同日に重要事項説明が行われることが多く、売主同席の下で重要な判断をしなければなりません。

「契約不適合責任免責であればもう一度考えたい」と再考できる雰囲気ではないため注意が必要です。

契約不適合責任免責を事前に知っていればいいのですが、「この言葉自体を知らなかった」「事前に聞いていたけど、よく理解していなかった」ということもあるかもしれません。

親切な不動産会社であれば、内見時に説明を受けられますが、最悪は契約当日に初めて知らされることがあります。

契約時は買主や売主だけではなく、お互いの不動産会社の担当や司法書士さんなど重々しい雰囲気の中で契約をします。

果たしてそういった雰囲気の中で「売買契約はしません」と強く言える方は何人いらっしゃるでしょうか

また、売主がご高齢の方であれば、さまざまなセッティングに協力していただいた中、「仕方ない」と情に流されて契約をしてしまうことも考えられます

POINT

販売図面の備考欄には重要な情報も書かれているので、必ずチェックしましょう!

買主側からするととても重要な内容となりますので、買主にとってリスクのある条項があるのか必ず確認しましょう。

契約不適合責任については、こちらの記事で詳しくご説明しております。

建物状況調査

建物状況調査は、いわゆる住宅診断(ホームインスペクション)についての記載になります。

住宅診断の有無や、実施の可否などを記載してあります。

住宅診断とは建築士などの資格を持つ者が建物を目視で雨漏りやシロアリの発生有無を確認し、建物の状況を調査することをいいます。

この備考欄には、この住宅診断をしたか、する予定か、あるいはすることができるのかなどが記載されています。

例えば、売主実施予定なしや買主による調査不可と書かれていることもあります。

要するに住宅診断ができないということです。

住宅診断ができない場合、区分マンションではリスクはあまりありませんが、戸建ての時は注意が必要です。

住宅診断ができない物件は怪しいと考えた方が無難です。

住宅診断を拒絶するのには何か隠している可能性も否定できません。

また、どうしても住宅診断をしたい場合は「住宅診断をどうしてもできませんか」と不動産会社に確認してみる方法もあります。

住宅診断に関してはこちらの記事で詳しくご説明しております

販売図面の備考欄には重要なことが書かれておりますので、十分にチェックしてみてください。

まとめ

不動産 販売図面

販売図面には購入するかどうかの判断材料が多く記載されています。

住宅探しのプロは販売図面をこう見る!
  • 1価格の表示(非課税か税込か)
  • 2所在地(地番か住居表示か)
  • 3交通(実際に掛かる時間の確認)
  • 4建物面積・専有面積(住宅ローン控除の対象になるか)
  • 5権利(借地権や地上権がついてないか)
  • 6都市計画(市街化調整区域か)
  • 7接道(車道幅員が狭くないか・私道か・通行承諾があるか)
  • 8設備(記載に間違いがないか)
  • 9管理費や修繕積立金(金額に間違いがないか)
  • 10築年数(耐震基準を満たしているか)
  • 11管理形態(一部・自主管理か、長期修繕計画はあるか)
  • 12戸数(少ないと注意)
  • 13備考欄(告知事項・契約不適合責任免責・建物状況調査)

販売図面自体は不動産会社の人間が作成する為にミスもあり、参考資料程度の認識でいましょう。

販売図面の情報のみで判断するのではなく、重要な事項に関しては必ず根拠となるデータを不動産会社からもらうようにしましょう

気になる情報があれば、内見前に不動産会社に質問したり、確認をすることで無駄に時間を使う事もなく、効率よく物件探しができるようになります。

契約日当日に発覚するなんて事が多いので、事前にポイントを押さえてじっくり販売図面の確認をしましょう

本記事内容の動画はこちらになります